昭和初期のアンティーク　　本来白地から染めつけ
　られた訪問着だったと思います。この着物はのちに染め
　加工が施されています。ラメ入りの無地の着物に準じ
　ます。胴裏の本紅絹はとてもやわらかく、本物中の
　本物とあえて書き添えたくなるほど上等の紅絹です。
　八掛けは淡いベージュの柔らかい羽二重です。透かし
　て見ますと流水と花のもっみょうが見てとれます。その
　柄を消すように濃紺と黒地で染められており、上等な
　小紋の着物として生まれ変わりました。袖の振りから
　見える見事に澄んだ本紅絹の赤が艶っぽく、希少価値
　のある着物として、存在感を示しています。金紗のやわ
　らかさ、軽くてしっとりした滑らかな手触りを味わってくだ
　さい。昔の女性はこんなすばらしい絹の着物を手に入
　れることができたのだなと実感してもらえるはずです。
　裏も表もシミや汚れはありません。丁寧に年月を経て
きたこの着物の歴史を愛でてください。

身丈	裄	袖丈	後ろ幅	前幅	おくみ幅
145	63	49	28	23	14
単位　cm